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 雑誌の休刊や出版社の倒産など、不景気な話題が多い出版業界。しかしそんな中でも、売り上げが変わらず、むしろ伸びているという雑誌出版社がある。

【拡大写真や90分の1スケールの安土城の紹介写真】

 デアゴスティーニ・ジャパン(以下デアゴスティーニ)は、1つのテーマについての情報を週刊や隔週刊形式で発行する、「パートワーク」(分冊百科)と呼ばれるスタイルの雑誌を発行する出版社だ。

 出版不況・雑誌不振が叫ばれる中、デアゴスティーニの雑誌はなぜ売れるのか? ここでは『戦国武将 データファイル』など、同社の歴史物を中心に手がける、嶋田典子さんに話を聞いた。【吉岡綾乃】

●パートワークで世界シェア50%以上

 デアゴスティーニグループはイタリア・ノヴァーラに総本社を持ち、世界33カ国に進出している外資系の出版社である。1901年、世界地図の普及を目的として設立された地理学研究所から発展しており、特にパートワーク出版においては世界の半分以上のシェアを占める。

 デアゴスティーニが出版する雑誌のテーマは、歴史や地理、音楽、料理などさまざまだ。同社の独特な販売方法について、テレビCMなどで見たことがある人も多いだろう。例えば嶋田さんが手がける最新作『戦国武将データファイル』は、全ページカラーの週刊誌だ。通常定価は1冊580円。5月25日発売の創刊号は290円と通常定価の半額で、専用の特製バインダーが付録に付いてくる。全100号の発行を予定しており、毎号バインダーに保存していくと、百科事典のような戦国武将のデータ集ができるという仕組みになっている。

 紙の雑誌だけでなく、プラモデルのパーツが毎号付いているもの(全号買いそろえると、大きな作品が完成する)や音楽CDが付いているものなどもある。例えば『安土城をつくる』の通常価格は1490円だが、創刊号は590円で、安土城についての雑誌と天守六階の屋根のパーツ、そして組み立てDVDが付いてくる。110冊全て買いそろえると、織田信長が築いた安土城の模型が90分の1スケールで完成するという内容だ。

●読者の中心は中高年男性

 このような販売方法なので、当然、デアゴスティーニの雑誌は創刊号がもっともたくさん売れて、だんだん販売部数は下がっていく。だんだん買う人が少なくなっていった結果、採算ラインを割り、途中で販売を中止したシリーズもありそうなものだが、「これまで100タイトル以上出してきた中で、途中でやめた例はない。すべて完結している」(嶋田さん)とのことだった。

 嶋田さんによれば、『戦国武将データファイル』のような雑誌だけのタイプ(通常価格500円前後)で、創刊号が30万〜40万部売れればヒット。歴史物やキャラクター物は特に人気で、コンスタントにヒット作が出ているという。最近では2008年に発売された『歴史のミステリー』が大ヒットで、創刊号が120万部、シリーズトータルで1000万部弱売れた。付録付きのタイプでは、クラシックCDを付録に付けた「ザ・クラシック・コレクション」が最大のヒットで、創刊号は200万部以上売れたという。

 読者ターゲットの中心は、中高年男性だ。「私が手がけているのが歴史物中心ということもありますが、中高年の男性読者が多いです。ただ最近は歴史物の場合でも女性読者が増えています。もちろん、料理やビーズといったテーマなら女性読者が中心になります」

●発売前のマーケティングリサーチがキモ

 完結するまで約100冊、週刊であれば約2年の期間発行し続けることになるが、上述の通り途中で休刊になったことはない。また、ほとんどのタイトルは予測から大きく外れない数が売れるという。そのポイントは発売前のマーケティングリサーチにある、と嶋田さんはいう。

 「どのタイトルも、創刊前に徹底的なマーケティングリサーチを行います。テーマや構成の決定に当たっては、事前にネットでリサーチをしたり、そのテーマに興味のある人を集めて座談会(形式のグループインタビュー)を行ったりしています。

 創刊する前にまず一県で先行販売して数字を調べる、という点も、大きな特徴です。一般の雑誌だと、編集長が『こういうテーマで行く』と決めて進むことが多いと思いますが、デアゴスティーニは、非常にマーケティングオリエンテッドな会社なんですね。発売後も毎日数字を見ています」

●電子書籍への展開は?

 電子書籍への対応についても聞いてみた。「読者が中高年男性中心ということもあり、今すぐに(電子書籍を)発売するということはないですが、着々と準備はしています。電子書籍で販売することによって、これまでとは違う読者へ、ターゲットが広がる可能性がありますし、これまでに発売したコンテンツを持っているわけですから」

 毎号買いそろえるというコンセプトなだけに、1号買い忘れただけで買い続けるモチベーションをなくしてしまう……ということもありそうだ。「書店で買うのが大変という方は、定期購読の申し込みをしていただければ自宅へ送料無料でお送りしています(編注:2号まとめて2週ごと)。ただ、今はネットがあるので、(デアゴスティーニのWebサイトにアクセスすることで)バックナンバーも買いやすくなったと思います」

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by bh0inkywcx | 2010-06-16 20:46
 【カイロ=村上大介】日本の技術総合力で質の高い工学教育を実現しようと、国際協力機構(JICA)など官民が全面協力した「エジプト日本科学技術大学(E−JUST)」の開校式が3日、エジプトの首都カイロ郊外であり、ナジーフ首相、緒方貞子JICA理事長、佐々木幹夫三菱商事会長ら約400人が出席した。九大、京大、早大など12大が教員を派遣。同国で校名に他国の名を冠する国立大学は初めて。

 今年2月に大学院1期生約40人の授業が始まっており、2〜3年後の学部開設が目標。地中海岸アレクサンドリア郊外のボルグ・エル・アラブで今後、キャンパス建設が本格化する。

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by bh0inkywcx | 2010-06-07 20:52